おじいちゃんの遺言


おじいちゃんが亡くなって

もう10年になるんだなぁ。

最近、そんなふとそんな思いが湧いてきました。

岐阜の深い山間にある加子母村という田舎に暮らしていたおじいちゃんは
祖母を困らせるほど我が道を行く自由な人。

そして、毎朝晩、欠かさず仏様と神様に手を合わせる

とても信仰心のあつい人でした。


そんなおじいちゃんが亡くなる数年前、確か私が息子を出産して実家に戻ってきている時のこと。

突然、「真理子に話したいことがある」と電話がかかってきたことがありました。


「珍しいなぁどうしたんだろう」と出てみると

挨拶もそこそこに

「わしは、5歳から変わっていない。5歳までを繰り返しておる」と言い始めたのです。

当時の私は、なんのこっちゃ??という感じで

「いやいや、おじいちゃんはもう90歳過ぎて、立派な大人だよ」

「5歳で止まっているということはないでしょ」(おじいちゃん、おかしくなっちゃったかな)と

受け答えるしかありませんでした。

けれども、おじいちゃんは真剣に何度もそのことを伝えようとしていて、

意味は分からなかったものの、

”おじいちゃんの謎の発言”として、私の心に刻まれていたのでした。


今、改めてあの時のことを振り返りながら、

おじいちゃんが私に伝えたかったことの意味がなんとなく分かったような気がしています。


5歳までで成長が止まっているというのは、

人は自分を取り巻く世界の捉え方や自身に対する認識を5歳ぐらいまでに作り上げ、その世界を繰り返し演じ、生き続けているということをだったかもしれないと思うのです。


別の言い方で言えば、

5歳までに経験した出来事の中で「満たされなかった思い」や「心の傷」のかたまりを抱えながら、もっと深いところでは「生きていていいのか」という微妙な不安の中で、常に揺れ動きながら、生きてきたということ。

それは、深く心に沈み込み無意識のレベルにあるもので普段は感じられないけれど、生き方そのものにに影響を与えている過去の記憶とも言えます。


90歳を過ぎたおじいちゃんが、これまでの人生を振り返った時に気づいた事実だったのでしょう。


子どもを産んだばかりの孫に、

今、この時期は大切だと伝えたかったのかもしれません。


もしくは、これからの人生で

幼少期の心の傷を癒し、そこから出て行くことの大切さを伝えたかったのかもしれません。


それからいろんなご縁があって、

インナーチャイルドとバーストラウマを癒すヒーリングを提供するようになりました。


まさか、そんなことを始めるとは

あの時の私は夢にも思ってなかったけれど、


あの時のおじいちゃんの言葉が今、

生き生きと語り始めているし、力づけてくれているように感じています。


亡くなった後、

夢に出てきたおじいちゃんは、

私を守ってくれていると話していました。


もし本当にそうならば、

今、

自分が心から納得できる道を歩んでいる孫を見ていてくれていたら嬉しいなと思っています。








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