次は誰だっけ?で子どもが変わったできごと

この日は4歳児の男の子たちのクラスを担当していました。

幼児教室のプログラムの中で、

ボールを的に向かって投げるという

遊びがあります。

順序を守って遊ぶこともルールの中に入っていましたが、

熱中してくると、どうしてもルールは疎かになってしまいがちです。


「順番を守ろうね」

「一人1回投げたら交代だよ」


そんな言葉がけをしても、

事態は収拾に向かいそうにありませんでした(笑)


そこでとっさに、


「次は誰だっけ?」


というような言葉に変えてみたのです。


その瞬間、

子どもの動きが止まり、

「次は誰だ?」と言った様子で、

考え始めました。


そして、

「次は僕だ」という子があらわれ、

他の子も

「あ、そうか」というような雰囲気になり、

あれよあれよという間に、

ルールを守って遊ぶことができました。


一瞬の出来事でしたが、

わたしには

スローモーションのように

感じられました。


どうやら子どもたちの間では、

指示されただけでは、

ルールはあっという間に忘れられ、

自分には関係ないものになりがちのようです。


けれども、もしそのプロセスの中に

自分ごととして考える

という要素があれば、

上手く働くようなのです。


もしかしたら、大人は

ルールや決まりを守ることが

当たり前になりすぎて、

「自分ごととして考える」という

プロセスを経ないままに

ルールを子どもに押し付けている事も多いような気がします。


ルールを守るという経験の少ない

小さな子どもと接するときほど、

「自分ごととして考えさせる」

という過程が

大切になってくるのかもしれません。


翻って
このルールは何で守らなくてはいけないんだっけ?と
当たり前になっていることほど
自分自身で検証してみることも
必要だなと感じています。







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