キチガイばあさんの想い

引越し先で、

ご近所さんにどんな人がいるかは

ちょっと心配で気になるところです。


先日の朝、燃えるゴミを出しに行くと

おばあさんが

「あのね、犬のフンは道路にさせないでくださいよ!!」と

遠くから

わざわざ大声で声をかけてきました。


「うちは犬はいないので、大丈夫です!!」

突然のことに驚きながら返事をすると

おばあさんが

「この辺りは大通りからの抜け道になっていて

保育園の子どもや小さい子を連れたお母さんがよく通るのよ」とさらに続けます。


「だから、うちは犬はいません。。。」

(ちょっとめんどくさい人かな・・・)と思いつつ、


小さい子どもが通る道なら、

キレイにしてあげたいですね。と答えると、


「キチガイばあさんだからね、

色々うるさくてごめんなさいね。

最近は、カラスがゴミを荒らすから大変なのよ」と言いながら

カラスに向かって大声で

「かあ!かあ!」と叫び、行ってしまいました。


なんとも変わったばあさんです。


そんな自称キチガイばあさん、

実は燃えるゴミの日になると、

いつも決まって道路を掃除してくれていることがわかりました。


道路に捨てられたタバコの吸い殻、

カラスにぐちゃぐちゃにされた生ゴミ。


本当だったら触るのも嫌なもの

目を背けたくなるもの

でも誰かがやらなくては汚いままのものを

いつも丁寧に掃除してくれていたのです。


今朝も、

いつもお掃除してくださりありがとうございますと声をかけると

「運動不足だからね、いい運動なのよ」と箒を手に

元気な声でおっしゃっていました。


そんなおばあさんの

お家の門の前を通りかかると、

手入れされた鉢植えの花が

優しく風に揺れていました。


おばあさんの想いによって

この場所は綺麗に保たれていること。


目には見えにくいし、

気づきもしないかもしれないけれど、

誰かの優しい想いに触れながら

心地よく生きているんだということに

少し感動したのでした。


この際、私も
キチガイばあさん見習いになってみようかな。

もしかしたら、掃除をして
一番心地よくなるのは
自分自身なのかもしれないなという気もしています。




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