【子育て相談室】3歳までは叱ってはいけないの?
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このコラムでは、子育てに対する様々なモヤモヤを 解決するためのヒントを紹介しています。
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幼児教室でしばしば
ママやパパから「3歳までは叱らないほうがいいんですよね」
というお話を耳にします。
いろんな考え方があるので、これが正しい、正しくないとは言えませんが、
私なりに感じていることをお話ししたいと思います。
そもそも「叱る」とは何のためにするのでしょうか?
一般的に言うと、大人の価値観から見たとき、
子どもがやってはいけないことをしているときに叱ります。
例えば、公共の場で
例えば、お友達同士で
例えば、兄弟同士で。
子どもが社会との関わり合いの中で
上手に生きていけるよう、
親は子供に伝えたいことがあるから「叱る」のです。
それは「しつけ」と言い換えることができるかもしれませんね。
この「しつけ」は着物を仕立てる時の
「しつけ糸」からきていると言う説もあるそうです。
やがて子どもが大きくなり、
自分で判断することができるようになったら
この「しつけ」は取り外されるもの。
けれども、着心地の良い着物を仕立てるにはなくてはならないものですね。
さて、
一口に「叱る」と言ってもいろんな状況があります。
初めはこの「しつけ」が目的であったとしても、
もしイライラした感情のままに
怒鳴りつけていたり、
子どもを無理やり押さえつけて恐怖心を与え、
コントロールしようとしていることが「叱る」のなら、それは逆効果です。
「親に否定された」とか、「愛されていないのではないか」という
子どもの頃の満たされない思いは、
結果として、心に深い傷(インナーチャイルド)を作り、その後の人生に
大きな影響を与えてしまうからです。
けれども、
社会もしくは、人との関わり合いを伝える「しつけ」が「叱る」ことに
含まれているのならば、
むしろ、3歳からでは遅いぐらいで
生まれた時から始まっていると思っています。
「おっぱいを飲もうね。たくさん飲めるね。美味しいね」
「オムツを替えて綺麗にしようね、
綺麗になると気持ちいいね」
赤ちゃんの顔をしっかりと見て
赤ちゃんはその声を聞いていて、
言葉の響きと自分の感覚を結びつけています。
もしかしたら、
ほほ笑み返してくれたり、
足をバタバタさせたり
何か反応が帰ってくるかもしれません。
「おっぱいは美味しいな」
「オムツを替えると気持ちいな」
こうしたやり取りを繰り返しながら、
ママは赤ちゃんが
トイレに行くようになるまで
言葉がけによって
「しつけ」をしているのです。
もう少し大きくなって、
例えばお友達との関わり合いの中で、
おもちゃを取ってしまったとか、
叩いてしまったときはどうでしょうか。
そのときも、
あなたの考えを伝えることが大切だと思います。
「このおもちゃが欲しかったんだよね。貸してね、って言おうね」とか、
「このおもちゃ、とても面白そうだよね。今は○○ちゃんが遊んでいるから、後から貸してもらおうね」など
こういったら正解ということはありませんし、特別なことをいう必要もありません。
「あなたが選んだ言葉で、真剣に伝えること」が大切だと思っています。
もちろん、言葉通りに行動できないことも多いでしょう。
けれどもそれは、お子さんの心にしっかりと残っていて
成長の過程で、活きてくるタイミングがあるのです。
大切なのは完璧を求めず、
繰り返し伝えていくこと。
この何気ない繰り返しが、
あなたの「想い」を伝え
お子さんの「想い」を聞ける関係性に
つながってくるものだと思っています。それは同時に、お子さんがあなたに想いを伝えあなたの想いを聞ける関係性ともいえます。
もし「叱る」とか「しつけ」というタイミングかきたら、
ぜひ、この「想いを伝える」という視点を意識してみてくださいね。
とはいえ、もちろん
感情的になってしまうこともありますよね。
そのときも、大切なのは
きちんと想いを伝えること。
「さっきは、きつく言い過ぎちゃった。ごめんね。」
とお話ししてあげると
お子さんも、
「ママもそういうときがあるんだな」と
完璧ではない人間の形について
学んでいくことでしょう。
これも、ある意味で「しつけ」の一つなのだと思います。
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