【ママになったあなたへ】生まれる力・産む力

どんなスタイルでお産をしたいか、イメージはありますか?

自然分娩?

無痛分娩?

水中出産?


実を言うと私はどんな風にお産をするのか、

特に思い描いているわけでありませんでした。

はじめに決めていた産院も、

実家から近くて、

設備が整っていて、

退院の時にお洒落なフレンチをご馳走になれると言う、

地元で人気の場所でした。


産院は決まったものの、

「赤ちゃんが生まれてきてくれることは嬉しいけれど、お産はやだな」

正直、そんなことを思っていました。

鼻からスイカを出すような痛みとか、

男の人が経験したら気絶するとか、

そんな噂話を聞いて、

一体全体、お産の時は何が起こるのだろうかと不安だったのです。

母に言っても、

「みんな同じだから仕方ないわよ」と言うのみ。

確かにそうかもしれないけれど、

「そんなに痛くないから大丈夫」と言って欲しかった(笑)


こんな私でしたが、

あることがきっかけで、意識がガラリと変わることになります。

それは、

愛知県岡崎市にある吉村医院の吉村正先生の講演。

医療的な介入をしない吉村医院での

自然なお産の話、

喜びに満ちたお産の話に感動し、

心の奥底から、

「こんなお産がしたい!」と
思ったのでした。


講演が終わった後

吉村先生に挨拶に行き、

「私は東京に住んでいるので吉村医院には行けません。

どうしたらそんな素敵な自然なお産ができますか?」

(どこか良い病院知ってませんか??)

と直接素直な気持ちを打ち明けました。


その時、吉村先生からの一言が、

「だったら、家で産めば良い」でした。


不意を突かれたようなあの時の感覚、

今でも忘れられません。


その時まで私は、

お産は病院でするものとばかり思っていました。

裏を返せば、

病院じゃないと産めないと思っていました。


「お産って、家でもできるんだ」と 思った瞬間、

自分の内側にも

そのための力が備わっているはずだと言うことに

初めて気づかされたのです。


確かに、

お産は、誰かのお手伝いが必要かもしれません。

そして、命がけ。


けれども

生まれてくる赤ちゃんと、

産み出すお母さんが、

呼吸を合わせ、力を合わせて進んでいくのがお産の基本であり、

それが何よりも大切な事実なのです。


尊敬する助産師さんが昔、

「お産の間は、気配を消すようになるべく静かにしていて、

必要だと思ったことだけお手伝いする」と話していたのは、

お母さんと赤ちゃんの力が

最大限に発揮されるための

秘訣だからなのかもしれません。


あなたにも、赤ちゃんにも、

生まれる力、産む力が備わっている。


そのことに少し意識を向けるだけで、

その後のお産の形が

随分と変わってくるのような気がしています。

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